豆だけじゃなかった。コーヒーの味を変えた、3つの道具の話

コーヒー豆にこだわり始めると、「もっと美味しくなるはず」という予感がついてくる。スペシャルティコーヒーの袋を手に取り、焙煎日をチェックするようになって、なんとなく鼻が高くなる感じ、ありますよね。

でも、肝心の味が劇的に変わった気がしない。ガクッとくる瞬間。

理由には薄々気づいていたんです。豆は変えたけど、道具は変えていない。グラインダーは昔から使っている安い電動のまま。お湯は沸騰したてをなんとなく注いでいた。これじゃ豆に失礼だよな、と思い始めて、3つだけ道具を見直してみました。変わりました、ちゃんと。「豆の問題じゃなかったんだ」と、少し拍子抜けするくらいに。

手動ミル

最初に変えたのはグラインダーです。電動の安いやつを使い続けていたんですが、あれ、刃が荒くて粒がバラバラになりやすいんですよね。挽き目が揃わないと、お湯の浸透が均一にならなくて、えぐみや雑味が出やすい。そういう話は知っていたけど、「どうせ気のせいでしょ」と高をくくっていました。

気のせいじゃなかった。TIMEMOREのC2Sを使い始めたら、一口で「あ、違う」となりました。手動なのでハンドルをぐるぐる回す手間はあるけど、この動作が朝の儀式みたいになって、むしろ悪くないんです。ステンレス製の臼が粒を均一に砕いてくれて、カップの中の雑味がスッと落ち着いた感じがします。コンパクトで収納場所も取らない。ブラックで飲めるようになったのは、たぶんこのミルのおかげです。

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ドリップスケール

「コーヒーをスケールで計りながら淹れる人」を、ちょっとやりすぎだと思っていた時期が、ぼくにもありました。そんなにシビアにやらなくても、と。でもこれ、やってみると全然違うんです。目分量と2gの差が、カップの中でハッキリ出る。正直、驚きました。

HARIOのV60ドリップスケールはコーヒー専用設計で、0.1g単位で計れてタイマー機能も内蔵。豆の量とお湯の量の比率を毎回同じにするだけで、「なぜか今日は美味しくない」という謎の振れ幅がほぼなくなりました。再現性、というやつです。コーヒーに再現性を求めるようになるとは思っていなかったけど、これが一番変化を実感できた道具かもしれない。見た目もシンプルで、キッチンに出しっぱなしでも馴染みます。価格も抑えめで、最初の一歩として選びやすい。

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温調電気ケトル

沸騰したお湯をそのまま注ぎ続けていたんですが、コーヒーの適温って90〜95℃くらいらしいんですよ。100℃だと豆によっては成分が抜けすぎる。そういう話を読んで、「じゃあ少し冷ましてから注げばいいか」と思っていたら、全然温度が合わせられないことに気づきました。冷ましすぎたり、めんどくさくなってそのまま注いだり。要するに、毎回ばらばらだったんです。

山善のYKG-C800は、温度を1℃単位で設定できて、細口のグースネックで注ぎやすい。コーヒー好きには定番のケトルで、6,980円という価格でこの機能はかなり誠実です。朝、起き抜けに「93℃」とセットしておくだけで、準備ができたらそのまま淹れられる。温度を「なんとなく合わせる」という曖昧な工程がスパッと消えました。この快適さは、使ってみないとわからないタイプの変化です。

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3つ合わせて2万円ちょっと。コーヒー豆を何十袋も買い替えるより、よっぽど費用対効果が高かった気がしています。道具って、ちゃんと変わるんですよね。豆のこだわりがそのまま味に届くようになる感覚、というか。いい豆を買い始めた人ほど、一度だけ道具を見直してみる価値があると思います。朝の1杯が、少しだけ、ちゃんと美味しくなります。

by KURO / model: Mao @TOKYO HANG OUT