映画を観ていると、ふと「あれ、いいな」と思う瞬間があります。ストーリーじゃなくて、主人公が使っている道具に目が行く。サングラス、時計、手帳——そういうものって、たいていスクリーンに登場する前から名品だったりするんですよね。今回は映画やドラマが「育てた」とも言えるアイテムを3つ選びました。どれも今日から実際に使える、というのが条件です。
サングラス

サングラスがここまでポップカルチャーのアイコンになったのは、1980年の映画「ブルース・ブラザーズ」がひとつのきっかけだと思っています。ジェイク・エルウッドが黒スーツに黒ハットで合わせていたのが、Ray-Ban Wayfarer。あの映画以降、ウェイファーラーの売上が爆発的に伸びたという話は有名で、映画史においても「プロダクトプレイスメントの成功例」として語られます。その後も「リスキー・ビジネス」のトム・クルーズ、「メン・イン・ブラック」のウィル・スミス、と次々とスクリーンの住人になっていきました。ウェイファーラー自体は1952年のデザインで、映画が登場する前からすでに名品だったというのも面白いところ。レンズが台形のシルエットはどんな顔型にも馴染みやすく、今でも春夏の街に出ると必ずひとりは使っている人を見かけます。「どれにしようか迷ったらこれ」と言えるサングラスです。
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デジタルウォッチ

スパイ映画やアクション映画を観ていると、必ずと言っていいほどデジタルウォッチが出てきます。爆弾のカウントダウンに使われたり、暗号を入力したり。そのなかで個人的に一番「シビれる」と思っているのがCasio A168Wです。メタルバンドにポリカーボネートの薄いケース、シルバーのLEDバックライト。スパイ映画やアクション映画でデジタルウォッチが定番の小道具として定着してきた流れのなかで、このA168Wはその空気感を最もコスパよく纏える一本として自然と認知されています。で、値段が3,000円前後というのが本当にずるい。3,000円でスパイ映画の空気感を腕に纏えるなら、もうそれでいいじゃないか、という気持ちになります。薄いので夏に時計なしの感覚で使えるのも個人的には好きなポイント。
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ノートブック

探偵もの、旅もの、作家もの——そういう映画やドラマに出てくる「黒い手帳」の正体が、たいていモレスキンです。「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチが持っていたのも、海外ドラマの刑事が証言をメモするのも、だいたいあの黒い表紙。モレスキンが映画小道具として重宝される理由のひとつは、黒くて薄くて時代設定に溶け込みやすいからだと思っています。もともとはゴッホやヘミングウェイが使っていたとされるヨーロッパの製本職人の手帳を復刻したもので、1990年代に現代版として再登場した経緯がある。つまり映画が先にあったのではなく、先に「品格のある道具」があって、映画がそれを選んだということです。ハードカバーのクラシックノートは開きっぱなしで机に置いておくだけで、なんか部屋の質が上がります。
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映画は道具を選ぶとき、たぶんちゃんと考えています。その時代・その人物・そのシーンに最もふさわしいものを。だから映画で見かけたアイテムって、案外裏切らない。次に観るときは、ストーリーだけじゃなく「あの人が持っているもの」に目を向けてみてください。
by KURO / model: Mao @TOKYO HANG OUT


