夕暮れの丸の内で、打ち合わせを終えてオフィスビルから歩き出す女性

書くより先に、残しておく。
カード、指先、ペン。AIボイスレコーダー3選。

打ち合わせが終わって、エレベーターの扉が閉まる。さっきまで飛び交っていた数字や固有名詞が、階数の表示がひとつ減るごとに、少しずつ遠くなっていきます。メモは取っていたはずなのに、あとで開くと、急いで書いた自分の字が読めない。

春に、AIに話しかけるためのマイク選びの記事を書きました。声でAIを動かす、という話。今回はその逆で、AIに聞いてもらう話です。

AIボイスレコーダーは、録った声をスマホのアプリに送ると、文字起こしから要約までを自動で仕上げてくれる小さな録音機です。このところ一気に種類が増えて、いまは形で選べるところまで来ています。今日は、カード型、指先サイズ、ペン型と、形の違う三つを並べてみます。ガジェット好きとしては、この顔ぶれを見ているだけでワクワクしてくる。

選ぶ前に知っておきたいこと

AIボイスレコーダーの値段は、本体だけでは決まりません。文字起こしはアプリの側で行うので、使った時間に応じて月額のプランがかかる仕組みです。今回の三つは、どれも毎月300分までの文字起こしが無料つき。週に一度、1時間の会議を録るくらいなら、この枠に収まる計算です。

スマホの録音アプリで十分では、と思うかもしれません。ただ、スマホは電話がかかってくると録音が中断されることがあるし、机に置いた画面の通知もつい気になる。録る道具を別に持つと、スマホをポケットにしまったまま、相手の話に集中できます。

そうなると、選び分けるポイントは形になります。机に置くのか、服につけるのか、手に持つのか。録りたい場面をひとつ思い浮かべてから選ぶと、迷いがスッと減るはず。

それと、ひとつだけ。録音するときは、相手にひと言伝えてから。メーカー自身も、録音前に同意を取るよう呼びかけています。便利な道具ほど、使い方で信頼が決まるというワケです。

カード型のAIボイスレコーダー

会議室のテーブルに置かれたカード型のAIボイスレコーダー Plaud Note Pro

まずは、この分野の定番から。Plaud Note Proは、クレジットカードとほぼ同じ大きさで、厚さは2.99mm、重さは30g。名刺入れの隣に差しておいても、かさばらない薄さです。

マイクは4つ。音声強化モードなら5m先の声まで拾い、長時間モードなら最大50時間続けて録れます。小さな有機ELの画面つき。録音中かどうか、電池がどれくらい残っているかが、ひと目でわかります。地味にうれしいのが、スマホの通話の録音と、対面での録音を、AIが自動で切り替えてくれるところ。

いいなと思うのは、録音中にボタンを押すと、その瞬間に印をつけられるところ。あとで要約を読み返すとき、「ここだ」という場所にすぐ戻れます。対応言語は日本語を含む112。机の上にパタンと置いておくだけで、会議の流れごと残してくれる、いちばん手堅い一台です。価格は30,800円(記事執筆時点)。

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指先サイズのウェアラブル型

ジャケットの襟元につけた指先サイズのAIボイスレコーダー Anker Soundcore Work

Anker Soundcore Workは、マイク本体がわずか約10g。指先にのるほどの小ささで、カード型の充電ケースから取り出して使います。

つけ方は、付属のネックレスチェーンで首から下げるか、マグネットで服に留めるか。胸元にちょこんとついていても、ブローチくらいの大きさ。立ち話や移動しながらの打ち合わせ、展示会で話を聞いて回る日など、机のない場面に強いのがこの形。最大5m先の声まで拾い、話者の聞き分けや段落分けにも対応しています。対応言語は150以上。

ボタンひとつで録音が始まるので、取り出してから迷うことがありません。録った内容はスマホだけでなくパソコンからも確認・編集できるので、議事録の清書は机に戻ってからゆっくり。カード型より身軽に、録音機を身につける感覚で使いたい人に向いています。価格は64GBモデルで26,990円です。

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ペン型のAIボイスレコーダー

ノートの上に置かれたペン型のAIボイスレコーダー Flowtica

三つ目は、少し変わり種。Flowticaは、ボールペンそのものがAIボイスレコーダーになっています。アルミのボディで30g。ちゃんと字が書けるペンです。

ノートを取りながら、気になる発言が出たらボタンを軽く押す。すると文字起こしでは黄色、要約でも目立つ形で、その場所に印が残ります。録音中は赤いランプが点くので、録れているかどうかを相手にも自分にも示せます。録音中に撮った資料の写真も、同じ記録の中にまとまります。もちろん、ここでも相手へのひと言は忘れずに。

話者は最大15人まで聞き分け、一度登録した声は次の会議から自動で認識してくれるそうです。新しいブランドなので、Amazonのレビューはまだ少なめ。それでも、手で書くことも声で残すこともやめたくない人には、いちばんしっくりくる形だと思います。価格は29,700円です。

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まとめ:どれを選ぶか

代官山のカフェテラスで、友人の話に笑う女性

机の上で会議ごと残したいならカード型。立ち話や移動中まで拾いたいなら、指先サイズ。書く手を止めたくないなら、ペン型です。

どれを選んでも、書くことが少し減るぶん、相手の顔を見ている時間が増えます。メモに追われて聞き逃していたひと言を、ちゃんと受け取れるようになる。この道具のいちばんの価値は、そこにあるのかもしれません。

10月13日からは、Amazonのプライム感謝祭の先行セールも始まります。夏のプライムデーで“本当にいいもの”を選んだ記事でも書きましたが、安さより長く使えるかで選ぶほうが、結局は満足度が高いように思います。気になる一台があれば、カートに入れて待っておくのも手です。

by KURO / model: Mao @TOKYO HANG OUT