朝の蔵前の路地で、ニットの袖を整えるMao

袖を通す前に、ひと手間。
衣替えの日に揃えたい、服の手入れ3選。

衣替えの季節です。日中はまだ半袖で歩ける日もありますが、朝晩の風は少しずつ秋の顔になってきました。クローゼットの奥から去年のニットやジャケットを出すと、たたみジワがくっきり、肩にはうっすらホコリ、脇の下には小さな毛玉。服は、しまったときの姿のままで待っています。

新しく買い足す前に、手持ちの服を一度整えてみる。今日はそのための道具を三つ、洋服ブラシ、毛玉取り器、衣類スチーマーの順に並べてみます。

選ぶ前に知っておきたいこと

服の手入れは、ホコリ、毛玉、シワの三つに分けて考えるとシンプルです。ホコリは払う、毛玉は切る、シワはのばす。それぞれ得意な道具が違うので、一つで全部を片づけようとしないほうが、結局は早く終わります。

順番にもコツがあります。まずブラシで表面のホコリを落とし、次に残った毛玉をカットして、最後にスチームでシワをのばす。ホコリが残ったまま毛玉取りをかけると、刃のまわりに絡みやすくなるからです。

ちなみに毛玉は、こすれて浮いた繊維の先どうしが絡まって、丸まったもの。脇の下や袖口、カバンが当たる腰のあたりにできやすいのはそのためです。こすれる場所がわかっていると、手入れのときにどこを見ればいいかもスッと決まります。

それと、どの道具も服の洗濯表示を確かめてから使うのが基本。素材によってはスチームや刃を当てないほうがいいものもあります。手入れのつもりで傷めてしまっては、もったいないですから。

洋服ブラシ

玄関の棚に置いた馬毛の洋服ブラシ

最初の一本は、いちばん地味な道具から。着たあとに繊維の流れに沿って軽く払うだけで、表面のホコリや花粉が落ち、寝てしまった毛並みも起き上がります。毛玉ができにくい状態を保つのにも役立つそうです。

GB KENTは、1777年にロンドンで創業したブラシメーカー。英国王室御用達の称号を長く受け続けてきた老舗で、ヘアブラシでも知られています。今回のモデルは、毛足が長くしなやかな馬毛を、天然のビーチ(ブナ)材のハンドルに植えたものです。

洋服ブラシには、大きく分けて豚毛と馬毛があります。豚毛はコシが強く、スーツやウールのコートのような織物のホコリをしっかりかき出すのが得意。馬毛はやわらかく、表面をなでるように整えるのが得意です。一本目を選ぶなら、ニットにもジャケットにも使える馬毛から入ると、出番が多くなるはず。

馬毛はやわらかい。カシミヤやウールのニットのようなデリケートな素材にも使いやすいのがうれしいところ。ブラシ面が広めにとってあるので、コートの背中もサッサッと数回で終わります。玄関の近くに掛けておけば、帰ってきてコートを脱ぐついでに、手入れを習慣にできそうです。価格は6,600円(記事執筆時点)。

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毛玉取り器

たたんだニットの上に置いた白い毛玉取り器

ブラシで防ぎきれなかった毛玉は、切ってしまうのがいちばん早い。テスコムの毛だまトレタ TEC-KD3000は、コンセントにつないで使う交流式の毛玉クリーナーです。電池式と違って、使っているうちにパワーが落ちてくることがありません。衣替えで何枚もまとめて手入れしたい日に向いています。

刃は6枚。生地と刃のすき間をつくる風合いガードは5段階で、残す毛足の長さを0.5mmから2.5mmまで、0.5mm刻みで選べます。薄手のニットは浅めに、厚手のセーターは深めに、と生地に合わせて変えられるというワケです。

服を着たまま使える専用のアタッチメントもついています。だから、出かける前に袖口の毛玉に気づいたときも、その場でジジジッと処理できます。レースや刺しゅうの部分、縫い目のあたりは避けて、初めての服は目立たない場所で試してからが安心です。価格は2,780円(記事執筆時点)。

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衣類スチーマー

夜景の窓辺に置いた黒い衣類スチーマーと白いシャツ

最後は、しまいジワ。パナソニックの衣類スチーマー NI-FS70Aは、ハンガーに掛けたままの服にスチームを当てて、シワをのばす道具です。アイロン台はいりません。出かける前の数分でも、使う気になれます。電源を入れてから使えるまでが約17秒。この短さが、毎日使うかどうかを分けるように思います。

タンクは約130mL。連続でおよそ8分、スチームが出ます。それでいて本体は約660g。腕を上げたまま肩から裾までなでおろしても、負担になりにくい重さです。温度は3段階で、かけ面を押し当てればアイロンのようにプレスもできる2WAY。シャツの襟や、パンツのセンターラインをパリッと整えたいときにも使えます。

色はカームブラック。部屋に出しっぱなしにしても、景色を邪魔しないすっきりした佇まいです。価格は12,980円(記事執筆時点)。

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まとめ:袖を通す前に

夕方の美術館の石段に座るMao

出したらブラシ、気になったら毛玉取り、着る前にスチーマー。三つそろうと、去年の服が、袖を通す前にもう一度きちんと整います。

使い捨てをやめて10年使う道具に切り替える話を以前書きましたが、服も同じで、手をかけたぶんだけ長く付き合える気がしています。新しい一着を探す前に、クローゼットの中の一着を見直してみる。それだけで、秋の始まりが少し違って見えるかもしれません。

10月13日からは、Amazonのプライム感謝祭の先行セールも始まります。選ぶ基準は、夏のプライムデーで“本当にいいもの”を選んだ記事と同じ。安さより、長く使えるかどうか。気になる道具があれば、カートに入れて待っておくのも手です。

by KURO / model: Mao @TOKYO HANG OUT